看護部長のごあいさつ
看護部長 関井 愛紀子
河渡病院は、精神科に特化した専門病院です。職員は「あなたに癒しと勇気を、あなたとの心のふれあいを大切にします」という病院の理念に基づき、心を病んだ方々に対し疾患や病期に応じた看護を提供しています。
急性期の方には、まず癒しが必要です。そのためには、外界から入る様々な刺激はこころを脅かす材料になります。看護では、刺激を避けた環境調整やこころの安定を図る無理強いしない関係を形成するように心がけています。急性期から脱した方には、適度に刺激を増やしながら心のリハビリテーションが行えるよう、様々な職種と連携を図りチーム医療を展開します。回復過程を経て、安定期の段階では、社会に戻る時期を見極め、外出・外泊を繰り返し家庭や職場等に戻る訓練を行います。
看護職には様々な場面で心を病む「あなた」との触れ合いが求められます。その触れ合いの中で大切にしていることは、心病む人に対して具体的で個別性のある支援を行うことです。同じ疾患、同じ病期であっても、その人なりに癒しとなる内容や関り方は異なります。看護職は、心病む人と接する中で、常にひとりひとりの違いに注目し、心を病んだ人の反応をアセスメントし、エビデンス(根拠)のある看護実践を行うことで、「あなたに癒しと勇気を、あなたとの心のふれあいを大切にします」という理念に基づく看護を遂行することができます。
精神科看護は看護職である自分が道具となり、コミュニケーション技術を駆使しながら関わることで看護実践の成果や効果を得ることができます。精神科で看護の基本となる人間関係を展開する技術の実践を通し、看護する喜びを感じてください。